高気圧酸素療法とは
高気圧(2気圧)に高めたカプセルに患者さんを入れ100%酸素を吸入することで体内に取り込む酸素量を増やして病気の症状の改善を目指す治療法です。血液中に酸素を多く取り入れることで抗菌作用を得られるとともに、血液が届きにくくなっている部分に酸素が行き渡るように作用します。
突発性難聴の治療に効果があり、健康保険も適用される治療です。
突発性難聴の治療に効果がある高気圧酸素療法
1突発性難聴について
感音性難聴の中で数少ない治療可能な難聴です。ただ、とても進行が早く、1日放置しておくだけで完治率が大きく下がってしまいます。自覚症状を感じてから48時間以内に治療を開始することが重要です。副腎皮質ステロイド治療やビタミン剤点滴、循環改善薬などが治療法として効果が認められていますが、最近はこれらと並行して高気圧酸素療法が注目されています。
2突発性難聴の症状と原因
突発性難聴は読んで字のごとく、「突然」的に起こる難聴です。症状が起こるタイミングは起床時だったり、寛いでいる最中だったり、仕事中だったりと人によって様々です。通常、片耳に難聴の症状が現れます。症状が軽い場合は、耳が詰まったような違和感を感じます。
音を脳に伝える神経系や大脳の異常で起こる感音性難聴で、難聴の症状とともにめまいや立ちくらみ、嘔吐などの症状が伴うことがありますが、耳以外に麻痺や意識障害などの神経症状は起こりません。
治療の流れ
Step1静電気が起きにくい専用の治療着(綿100%)に着替えます。
Step2症状の確認と、所持品の検査を行います。治療前にトイレは済ましておいてください。
Step3血圧計・心電図をつけてカプセルに入ります。治療時間は1時間30分程度です。
Step4終了後、血圧、心電図を確認し、頭痛、歯痛、吐気、耳鳴りなどの副作用がないことを確認し、終了です。
治療中はとくに何もしていただくことはありません。カプセル内でリラックスしていただければ治療されていきます。
高濃度の酸素でカプセル内を満たすため、発火の可能性のあるもの、電化製品、燃えやすいもの(雑誌や本など)は持ち込みができません。