過敏性腸症候群とは
炎症などの病変はなく、蠕動運動の機能に問題が生じて腸が正常に働かないことで、便秘や下痢、腹部の不快感、膨満感、腹痛などが起こる病気です。排便後には、症状が治まります。ストレスや過度な緊張、腸内の細菌叢が変化するなどが原因と考えられています。
過敏性腸症候群は、急な下痢や腹痛によって生活の質(QOL)を低下させてしまう恐れがあります。お薬の服用や生活習慣の改善で治療することができるので、まずはご相談にお越しください。
このような症状をお持ちの方は、お気軽にご相談下さい
- 急な腹痛や腹部の不快感
- 腹痛や不快感は排便すると解消する
- 便秘が3日以上続く
- 下痢が3日以上続く
- 排便リズムが不規則
- 便秘と下痢を交互に繰り返す
- ストレスを感じるとおなかが痛くなる
- おならが我慢できない
このような症状がある方は、過敏性腸症候群かもしれません。過敏性腸症候群は、適切な治療によって症状を改善することができます。
過敏性腸症候群の分類
過敏性腸症候群は症状によって大きく4つに分けられます。
下痢型 | 突然の腹痛が起こって、下痢が起こります。 排便の後は、症状がおさまります。 |
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便秘型 | 腹痛とともに便秘がおこり、排便後は症状がおさまります。 コロコロしたウサギの糞のような便が出ます。 |
混合型 | 便秘と下痢を交互に繰り返すタイプです。 |
ガス型 | おなかの張りや腹鳴、おならが我慢できずに漏れてしまうなどの症状が現れます。 |
過敏性腸症候群の診断『ローマⅢ基準』
過去3か月の間に、1か月のうち3日以上腹痛や腹部不快感などの症状が繰り返し起こり、さらに以下の項目のうち2つ以上該当する場合、という基準が設けられています。
大腸粘膜に炎症などの病変がなく、下記の症状を起こしている場合は過敏性腸症候群と診断されます。
- 排便によって症状がやわらぐ
- 症状とともに排便回数が変わる
- 症状とともに便の形(外観)がかわる
過敏性腸症候群の検査
下痢、便秘、腹痛、膨満感などは、様々な大腸疾患の症状として現れます。ほとんどの大腸疾患は、大腸カメラ検査で特有の病変を確認して診断することができます。
大腸粘膜に病変が確認出来ない場合は、過敏性腸症候群と診断がつきます。
当院では日本消化器内視鏡学会専門医がすべての内視鏡検査を行っています。
過敏性腸症候群の治療
薬物療法
腸内の機能を改善する薬や便の水分量を調整する薬、腸が過敏になっているのを抑える薬、腸内細菌叢を整える薬など様々な種類の中から最適なものを処方いたします。
効果のあらわれ方をみながら、体質に合わせてお薬を調整しながら症状の改善を図ります。
生活習慣の改善
薬物療法と合わせて、生活習慣の改善を図る事で症状の緩和に繋がります。
また、再発しやすい過敏性腸症候群の予防にも効果があります。
- 香辛料や脂肪の多い食事を避ける
- アルコールの過剰摂取を控える
- 暴飲暴食を控える
- 1日3食バランスの良い食事を心がける
- 水分補給をしっかりとる
- 充分な睡眠をとる