胃カメラとは
胃の粘膜を内視鏡で直接観察する検査で、食道・胃・十二指腸の色調変化や粘膜面の変化まで確認できますから、早期の胃がんを見つけることができる唯一の検査方法だと言えます。細くしなやかなスコープを挿入して、食道から胃、十二指腸をくまなく観察するだけでなく、検査中に疑わしい部分があった場合には組織を採取することも可能になっています。また、以前に比べ、機器や検査手法が格段に進化していることから、苦痛なく検査を受けていただけるようになっています。
胃カメラは食道、胃、十二指腸内部を観察する検査の他に、潰瘍やがんの治療にも用いられます。消化器科では、診断と治療双方にとって有力な手段であり、定期的に検査を受けることで正確な診断や早期の治療に大きく貢献しています。
正確な診断と早期発見のために
胃がんは日本における部位別のがんでも第1位になっており、年間10万人以上がかかっているとされていますが、早期発見して適切な治療を行えば、日常生活や仕事にほとんど影響なく治すことが可能な病気であり、実は治しやすいがんだと言えます。ただし、専門医が最新機器を使って行う精度の高い内視鏡検査でなければ早期発見はかなり難しいと言えます。
一般的に行われている採血検査は間接的にしか胃がんに関係していません。また、腫瘍マーカー値(CEA,CA19-9)はかなり進行したがんを見つけることはできますが、そうでなければ異常値が出ません。
胃カメラは、直に胃の粘膜を観察する検査方法ですので、微少な病変や色調変化なども発見できます。また、検査中に組織を採取して生検という組織検査もできますので、正確な診断が可能です。また、胃がんになりやすいとされている慢性胃炎の有無から、発がんリスクの判定などもできます。
当クリニックでは、日本消化器内視鏡学会専門医が、その長い経験や高い技術を活かした検査を行っており、最新機器を導入して精度が高く正確な診断を行っています。
当クリニックの胃カメラ検査が選ばれる7つの理由
1長い経験や深い知識と技術を基に苦しくない検査を実現
当クリニックでは、日本消化器内視鏡学会専門医が内視鏡検査を行っているため、確かな技術と豊富な経験や知識を活かした苦しくない無痛の内視鏡検査を受けていただけます。また、少量の鎮静剤を使用することにより、ウトウトしている間の胃内視鏡検査も可能ですから、内視鏡検査に苦手意識を持っている方でも安心して検査を受けていただけます。
2精度が高く楽に受けられる最新の内視鏡検査機器導入
当クリニックで導入しているオリンパス社製の最新内視鏡システムと内視鏡スコープは、がんセンターや大学病院で使用されている機器と同等の高精度な内視鏡検査機器であり、特殊な光を使うなどで小さな病変もいち早く見つけられます。これにより、検査時間を短縮でき、患者様のお体への負担軽減も実現しています。
鼻から挿入する経鼻検査も導入しており、以前、口からの経口検査で苦しい思いをされた方の多くが「こんなに楽になっているなんて」と驚かれます。
3ハイビジョンモニターにより細部を一目で確認
当クリニックに導入しているハイビジョンモニターは内視鏡専用モニターとしては現在最大サイズです。画面が大きいため微細な病変を発見しやすく、角度・位置を自在に変更可能であり、スムーズに検査できます。
4狭帯域光観察(NBI)で観察
当クリニックに導入している最新内視鏡システムには、特殊な光を使って観察できる「狭帯域光観察(NBI)」という機能を搭載しています。NBIでは粘膜表層の毛細血管や粘膜微細模様を強調表示できるため、通常では見つけるのが難しい小さい病変も見落とすことなく発見可能です。
こうした機能を使いこなすことで、病変が良性か悪性(がん)かを瞬時に判断することも可能になっています。ただし、確定診断のために内視鏡で組織を採取して生検を行います。
51日で胃と大腸の両方の内視鏡検査を受けられます
胃カメラと大腸カメラの両方の検査を1日で受けることも可能です。お忙しい方にも気軽に両検査を受けていただけけるよう、土曜日にもこうした検査を行っています。胃の検査、大腸の検査はともに所要時間が約20~30分ですので、両方の同日検査でも日帰りで十分受けられます。
6土曜日にも検査を受けられます
土曜日の内視鏡検査も行っていますので、平日にスケジュールを作ることが難しい方でも、お休みを取ることなく内視鏡検査を受けていただけます。胃と大腸の同日検査を土曜日に受けることも可能です。なお、内視鏡検査は予約制です。直接ご来院いただき、ご予約ください。
7検査後、すぐに結果をお伝えしています
検査後は、検査中に撮影した画像をご覧いただきながら、くわしく、そしてわかりやすく結果についてご説明しています。また、画像を磁気ディスクや光ディスクに記録しますので、定期的に内視鏡検査を受けていただいている場合には、以前に撮影した画像と比較でき、より状態を正確に判断できます。
楽に受けられる経鼻内視鏡検査
従来の胃カメラは口からチューブを挿入する経口内視鏡検査でしたが、強い吐き気を催す反射が起こる舌の根元を刺激するため、とても苦しい検査でした。経鼻内視鏡検査は、超極細のスコープを鼻から挿入する検査方法であり、舌の根元に触れることがないため、苦痛を大幅に軽減しています。
経口検査を受けた経験がある方が経鼻検査を受けると、あまりにも楽に受けられるためほとんどの方がとても驚きます。
経鼻内視鏡検査が苦しくない理由
歯みがきでの際に歯ブラシを奥にうっかり入れ過ぎたり、風邪の診療の際にヘラのようなもので舌の奥を押さえられて反射的に強い吐き気が起こった経験がある方は多いと思います。これは、嘔吐を促す舌の根元に触れることで起こる生理的な反射です。経鼻内視鏡検査の大きな特徴は、この反射が起こる舌の根元にスコープが当たらないことです。そのため、苦痛なく、楽に受けていただけます。極細のスコープですので、違和感もほとんどありません。
経鼻内視鏡検査のメリット
経鼻内視鏡検査中、患者様は会話ができる状態です。いつでも意思疎通がスムーズにできることは安心感につながりますし、違和感が強い場合などでは医師に伝えることでより安全性の高い検査を実現できます。
局所麻酔を行いますが、鼻腔内という狭い範囲に行い、量も少量ですみますので、お体への負担も軽減されます。また、検査後、経口検査では2時間飲食が不可ですが、経鼻検査の場合1時間後から飲食可能になります。
楽な経鼻内視鏡検査を受けるコツ
経鼻検査は鼻腔という消化器の専門医が通常の勉強ではあまり深く習ってこない部分に内視鏡を挿入します。そのため、経験を積んで深く知識を蓄えた医師でなければせっかくのメリットが活かされないだけでなく、効果的な麻酔を行えない可能性があり、検査の精度を下げることにもつながりかねません。そのため、検査件数の多さや医師の経験を基にしっかりと病院選びをしてください。
目安になるのは、経鼻内視鏡検査を希望した際に、鼻が狭いなどの理由をつけて従来の経口検査を勧めるケースです。実際に鼻の穴が狭くて経鼻検査に適さないのは極めてまれです。経鼻内視鏡検査に関しするデメリットを強調されたら、他の医療機関にも相談した方が安心できると言えるでしょう。
ウトウトしている間の内視鏡検査
ご希望があれば、少量の麻酔薬や鎮静剤を使うことで、ウトウトしている間に検査を受けることもできます。強い不安を抱えたまま検査を受けるのはあまりおすすめできません。胃カメラ検査にトラウマがある方などは、遠慮無くご相談ください。
検査終了後、完全に目覚めるまでリカバリールームでお休みいただきますので、来院からご帰宅までの時間が少し長くなります。副作用の可能性があるため、年齢や体重、薬の服用歴、既往症などによって麻酔方法が変わってくるケースがありますし、病気や服用している薬によってはこうした検査ができない場合もあります。なお、検査後は車やバイク、自転車の運転はできません。そのため、ご帰宅の際には公共交通機関をお使いいただくか、迎えに来てもらう必要があります。
余計な負担のないNBIでより高精度を実現
早期がんは、最初に粘膜表面の毛細血管が変化するため、通常の内視鏡観察だけでは見つけにくく、以前は色素をまいて病変をはっきりさせていました。しかし、色素による刺激症状が出ることがあり、患者様の苦痛につながる可能性がありました。
当クリニックの内視鏡システムには、NBIという特殊な光を使って通常の内視鏡検査ではわからない病変を見つける機能が搭載されています。簡単なスイッチ操作で観察可能ですから、お体への余計な負担のない検査が可能です。
内視鏡検査で早期の胃がんを発見できたら、すぐに早期治療を受けることで日常にほとんど支障を及ぼさずに完治も見込めます。せっかく内視鏡検査を受けるのですから、早期胃がん発見に効果的なNBIが導入されていることをしっかり確認しましょう。
胃カメラ検査の流れ
1検査前日
夕食はなるべく早く済ませ、アルコールは控えてください。
午後9時以降は飲食だけでなく、服薬も禁止です。
できれば水分も控えますが、脱水症状を起こす恐れがある場合には、水を飲んでください。
2検査当日
たばこを吸わないようにしてください。喫煙すると胃液が増えるため、検査精度が下がる可能性があり、検査時間も長引いてしまいます。
3来院
受付にお声がけください。予約時間の少し前に来ていただくとスムーズな検査を受けられます。
着替えなどは必要ないため、楽に過ごせる服装でいらしてください。また、男性の場合、ネクタイやベルトを外すくらいで検査を受けられます。その際には更衣室をお使いいただけます。
4検査の手順
- 咽頭麻酔を行います。経鼻内視鏡検査の場合、鼻腔への局部麻酔も行います。
- 左を下にしてベッドに横になっていただいたら、検査開始です。麻酔や鎮静剤を使った検査の場合、ここで注射をして、それから検査となります。
肩の力を抜き、リラックスすると楽に検査を受けられます。ゆっくり呼吸することを心がけ、急に動かないようにしてください。
なお、検査中に組織を採取する場合も、痛みや不快感はありません。ご安心ください。
胃のすみずみまで観察するため、炭酸ガスを使って胃を膨らませています。普通の空気よりも吸収や呼気による自然排出が格段に早いため、張りはすぐにおさまっていきます。
5検査後
咽頭麻酔や鼻腔麻酔が切れるまで、経口検査では2時間、経鼻検査では1時間、飲食を控えてください。
胃カメラ検査をおすすめするケース
- おなかの上部が痛い
- 胃に不快感がある
- よく胸焼けする
- 喉や胸がつかえる
- 吐き気がよく起こる
- 嘔吐を何度も起こしている
- 便が黒い
- 貧血を指摘された
- 最近になって急激に体重が減少した
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍になったことがある
- 肝硬変の診断を受けた
- 食道がん、胃がんの治療経験がある
胃カメラ検査が有効な消化器系疾患
- 逆流性食道炎
- 食道がん
- 急性胃炎
- 慢性胃炎
- 胃潰瘍
- 胃ポリープ
- 胃がん
- 十二指腸潰瘍
- 十二指腸ポリープ
- 十二指腸がん
- ピロリ菌感染症など
料金
健康保険で3割負担の方の場合
初診料、内視鏡検査に必要な薬剤、血液検査として | 2,000円 ~ 3,500円 |
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内視鏡検査(検査のみ) | 約4,000円 |
内視鏡検査(細胞検査を行った場合) | 上記に加えて5,000円従いまして、 11,000円 ~ 12,500円となります。 検査の結果により,お薬を処方させていただく場合もありますので、15,000円程度ご用意下さい。 |
2割負担の方は上記の 2/3 、1割負担の方は 1/3 程度のご負担とお考え下さい
自費診療の場合
胃カメラ・内視鏡検査 | 15,000円(税別) |
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